パーキンソン病
こんにちは。
いつもおつき合いいただきありがとうござます。
前回は手のふるえについて書きました。
「本態性振戦」による手のふるえは、
おもに何かしようとする(例えばペンで書く、箸で食べる)時に出てきます。
パーキンソン病による“ふるえ”は、それとは異なり、安静時に出てきます。
何かしようとすると弱まることが多いので、
実生活ではこのふるえで困ることは少ないようです。
ただし、安静時に出るので、ちょっと目立ちますよね。
ところがもっと困る症状があるのです。
以前につとめていた病院では、転んで骨折し、救急車で搬送される患者さんがたくさんいました。
その中に、実は以前から
「バランスが悪く転倒をくり返していた」
「歩くのが遅くなり、外出もしないようになった」
「歩幅が小刻みになった。特に歩き始めが悪い」
「小声になってしまい、(相手から)声が聞き取りづらくなった」
という方がしばしばみられます。
実は、これらの症状はパーキンソン病でよくみられる症状です。
中には、入院前から
「ほとんど家から出られず、身の回りのことも自分でできなかった」
「寝たきりに近い状態だった」
という方もいます。
そういった方が、
入院してパーキンソン病と診断され薬を飲むことで、
自分で歩いて通院できるようになった方もいます。
他の症状では、
「昔からしつこい便秘があった」
「ほかの人に見えないものが見える(幻覚といいます)」
「臭いがわかりづらくなった」
などの症状を伴うこともあります。
無表情になるので、“うつ”になったと間違えられることもあります。
これらの症状で思い当たる方(もしくはご家族)は
ぜひ一度、脳神経内科の受診をおすすめします。