緊張型頭痛

2019.06.08

こんにちは。

東京も梅雨入りとなりました。

みなさまはいかがお過ごしでしょうか?

わが家のアジサイも少しずつ花がついてきています。

今回は、前回に書いた頭痛のはなしの続きをいたします。

発作のように症状の出る片頭痛とは異なり、

緊張型頭痛はなんとなくダラダラと頭痛症状があります。

    

   

  

  

いつも重い感じがして本当に嫌なものなんです。

疲れや寝不足で症状が強くなります。

首まわりの筋の重労働が原因なので、

パソコン作業の長い人、

運転手さん、

乳児をだっこすることの多いお母さん、

前掛けなど首から物をぶら下げて仕事をしている人

に多く、また

夜勤のある生活で睡眠が不規則になりやすい人も、

睡眠中に筋の疲れがうまくとれず頭痛となる方が多いです。

最近では、スマートフォンを見る時間が長く、その姿勢の問題や

光の刺激による睡眠の質が問題視されていますよね。

    

  

  

  

 この頭痛では、その名のとおり首のまわりの筋肉が固くなっています。

筋の緊張をやわらげる薬で、症状の軽減をこころみます。

しかしこういった薬は同時に眠気を誘うものが多く、実際には飲みづらい薬が多いのです。

 外来では運動不足・睡眠不足の解消、睡眠の質の改善などの指導をします。

それと同時に、

実は首まわりの筋力を改善させるリハビリテーションで頭痛の改善がみられることも多くあります。

日常生活の工夫で、症状の改善を期待できるので、ぜひ専門医にも相談してみましょう。

頭痛のはなし

2019.06.05

こんにちは。

暑かったり、涼しくなったりの毎日ですが、体調を崩されてませんでしょうか?

今日は頭痛のはなしをします。

  

どなたでも頭痛の経験はありますよね。

かぜをひいたときに起こる頭痛もいやな症状ですが、

その時の頭痛は、かぜが治ると頭痛もよくなります。

  

  

  

 

一方で、かぜとは関係なしに

「毎日のようにしめつけられる頭痛があって困っている」

とか

「1~2か月に一回(数か月に一回)激しい頭痛があって、

その時は、半日から一日くらいは痛くて寝たきりになってしまう」

などの症状に困っている方も多くいると思います。

おおざっぱに言うと

前者は「緊張型頭痛」

後者は「片頭痛」

といわれるものです。


診療をしていてしばしば意外に思うのが、

「もうこれはいつものことだし、自分は頭痛持ちだからしようがない」

と市販の頭痛止めを飲んで、あきらめてしまっている方が多いことです。


ところが、たとえば片頭痛なら抜群に効果のある薬が存在します。

片頭痛とキチンと診断された方で、

頭痛発作時に“トリプタン”という薬を飲むと

今まで一日悩まされていた症状が、ウソのように短時間ですっきりとなります。

(効き目には個人差もあるのですが…)


「トリプタンを一回試したけどあまり良くならなかったな」

という片頭痛の方も、

今は何種類かの性質の異なるトリプタンが出ているので、

いくつかを試してみるべきです。

  

   

 

ただし、「緊張型頭痛」の方にはあまり効果はありません。

ですので、まずは頭痛のタイプについて

しっかりと診断をつけてもらうことが重要です。


では緊張型頭痛の場合はどうしたらよいでしょうか。

これはまた次回お話ししましょう。

パーキンソン病

2019.05.31

こんにちは。

いつもおつき合いいただきありがとうござます。

   

前回は手のふるえについて書きました。

「本態性振戦」による手のふるえは、

おもに何かしようとする(例えばペンで書く、箸で食べる)時に出てきます。

パーキンソン病による“ふるえ”は、それとは異なり、安静時に出てきます。

何かしようとすると弱まることが多いので、

実生活ではこのふるえで困ることは少ないようです。

ただし、安静時に出るので、ちょっと目立ちますよね。

ところがもっと困る症状があるのです。


以前につとめていた病院では、転んで骨折し、救急車で搬送される患者さんがたくさんいました。

その中に、実は以前から

「バランスが悪く転倒をくり返していた」

「歩くのが遅くなり、外出もしないようになった」

「歩幅が小刻みになった。特に歩き始めが悪い」

「小声になってしまい、(相手から)声が聞き取りづらくなった」

という方がしばしばみられます。

  

  

  

実は、これらの症状はパーキンソン病でよくみられる症状です。

中には、入院前から

「ほとんど家から出られず、身の回りのことも自分でできなかった」

「寝たきりに近い状態だった」

という方もいます。

そういった方が、

入院してパーキンソン病と診断され薬を飲むことで、

自分で歩いて通院できるようになった方もいます。


他の症状では、

「昔からしつこい便秘があった」

「ほかの人に見えないものが見える(幻覚といいます)」

「臭いがわかりづらくなった」

などの症状を伴うこともあります。

無表情になるので、“うつ”になったと間違えられることもあります。


これらの症状で思い当たる方(もしくはご家族)は

ぜひ一度、脳神経内科の受診をおすすめします。

03-3883-6180
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