明け方にゴソゴソ…

2019.10.25

こんにちは。

台風19号の影響で、まだ生活のままならぬ地域もありますね。

みなさま、またご家族、ご友人はご無事でしたでしょうか。

本当に、早い復旧を祈るばかりです。

    

さて、今回も外来で経験したエピソードをご紹介しますね。

83歳女性のAさんは、認知症で外来に通院されています。

ご本人は、いたってお元気ですし、転倒もなく楽しく生活されています。

今回外来でうけた悩みは同居するご家族(長女)のお話です。

   

「実は、母がまだ夜も明ける前から起き出して、

家の中を動き回り、ゴソゴソと荷物の整理をしはじめる。

その物音で目覚めて眠れないんです。

これって、どうにかならないんですかね。

せめて明け方まで寝ていてくれれば、こちらも休めるのですが…。」

    

と、すっかり寝不足のご様子です。

お話を聞くとどうやら、

「睡眠薬を使ってでも寝てもらいたい!」

とお考えのようなのです。

    

  

  

  

   

「日中も、デイサービスの時間以外は、ずーっと見守っているため、

夜くらいはきちんと睡眠をとりたい」 とのことでした。

  

そうなんです。本当に介護って大変なんです。

こればかりは経験しないとわからないこと。

「ご家族のサポートあっての、ご本人の生活」ですから、

これはどうにかしてあげたいなと思いますよね。

  

話を詳しく聞いてみると…

夕飯を19時ころに食べ終えたら、Aさんはすぐ床についてしまうとのことでした。

時間にして20時くらい。

どんなに遅くとも21時には寝てしまうとのことでした。

???

「60歳前後の成人の必要睡眠時間を6時間」と考えると

80歳過ぎの方は、もっと睡眠時間は少なくてすみます。

21時に寝たとしたら、朝3時ころに目覚めるのは、自然と言えば自然でしょうか…

そこで、ご家族には

「もし目覚めの時間をもっと遅らせたいようであれば、

就寝も少し遅くしたらいかがですか?」

とご提案しました。

すると、

「夜の時間は、自分の大切な時間。

母の介護から解放される貴重な時間なんです。

だから、母の寝る時間を遅くしたら、

今度は自分の時間がなくなってしまいます。」

とのことでした。

今回のはなしでは、これが正しい対応だというものはありません。

ただ、ひとつ言えるのは、

「薬を使用して睡眠時間を必要以上に長くする」

という対応は正しくなさそうです。

睡眠薬で、認知症の症状が悪くなることが、しばしばみられるからです。

もし何らかの手段で、(例えば、知人とのお電話やテレビをみたりなどで)

就寝時間を遅らせることができれば、というところですよね。

   

  

  

  

介護というものを考えさせられるエピソードでした。

ショートステイ

2019.09.17

こんにちは。

暑くなったり、涼しくなったりと気温が落ち着かないですね。

どんどん日が短くなり、少しさみしい気もしますよね。

くれぐれも体調を崩さないように気をつけてください。

  

 

今日は認知症のかたが、ショートステイを利用したエピソードをご紹介します。

83歳男性のAさんはアルツハイマー型認知症で治療を受けています。

長男のご家族と同居し、食事の用意などはご家族がしてくれます。

多少のもの忘れはありますが、身のまわりのことは自分でしており、

会話もしっかりとできていました。

  

しかし経過中に徐々に意欲がなくなり、

日中も部屋にこもることが多くなりました。

そのうちに食欲もなくなり、体重はどんどん減っていきました。

色々な検査でも食欲低下の原因となる病気はみつかりません。

認知症の進行なのかもしれないと家族とお話をしていました。

デイサービスを利用したりして、状況を改善しようとしましたが、

症状は悪くなるばかりです。

もちろん薬の調整も行いましたが、効果はありませんでした。

ある時、ちょっとしたきっかけでショートステイを利用しました。

  

  

  

  

  

 数日間限定で施設入所をするのです。

すると環境の変化に緊張を感じたのか、

生活のふるまいに改善が出はじめました。

食事をしっかりするようになり、身の回りのこともできるように。

体重も少しずつ改善し、数か月の後に元の体重までに戻りました。

  

認知症では一般的に、環境の変化は状態を悪くさせることが多くみられます。

しかし今回は、むしろ緊張を強いられる環境で症状が劇的に改善しました。

こういうこともあるのだと、考えさせられたエピソードです。

介護者からすると

「ショートステイに送り出すのは抵抗がある」 

と感じている人もいるかもしれません。

  

でもこのように、皆さん多くの経験を経てきているせいか、

適応しようとする力は、まだまだ捨てたものではありません。

介護者の方の息を抜くためにも、

ショートステイは、ぜひ利用するとよいと思います。 

あしがムズムズ

2019.08.30

こんにちは。

暑さがひと段落と思った矢先に、大雨だったり、また暑くなったり…

かぜをひかれるかたも増えています。

睡眠はしっかりとるようにしてくださいね。

   

さて、今回はその睡眠にも少し関連のあるおはなしです。

この季節はエアコンがないと寝苦しいですよね。

  

ただ、この暑さとは別に、夜にベッドに横になった時に、

「手足がムズムズしてじっとしていられなくなる」

なんて症状を感じることはありますでしょうか。

この手足のムズムズするいやな感じは、

「手足を少しもぞもぞと動かすと良くなる」

なんてことを感じるかもしれません。

これらを

「むずむず脚症候群」

もしくは

「レストレスレッグス症候群」

といいます。

立派な神経機能の異常のひとつなんです。

   

 

  

  

正確には

①じっとしているとムズムズしてきて

②つい手足を動かしたくなり

③動かすとすこしムズムズがよくなり

④この症状は夕方から夜に感じやすい

という特徴があります。

    

「むずむずあし」といいますが、

おなじムズムズ感が手に出ることもあります。

からだの中の鉄分が不足して起こることもあれば、

脊髄が悪いことが原因であったり、

また腎臓が悪くて起こったりすることもあります。

その一方で、はっきりとした原因がわからないことも多くあります。

日本では100人に4~5人くらい発症しています。

    

この「むずむずあし」が何故つらいかというと、

気になってしまってあまり良く眠れなくなってしまうのです。

  

  

  

  

  

今では、この症状に対して効果があると言われているいくつかの薬があります。

もしお困りの方がいらしたら、一度クリニックで相談してみるとよいですよ。

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