不整脈で脳梗塞!?

2019.07.26

こんにちは。

いよいよ暑くなってきましたね。

台風が過ぎれば、夏本番に突入しそうです。

いかがお過ごしでしょうか?

  

今日は「ほうっておきたくない不整脈」のお話をしますね。

不整脈とは脈のリズムが乱れてしまうもので、

心臓の拍動のリズムが悪くなることです。

実はその不整脈のなかに脳梗塞をひきおこしてしまうものがあるんです。

  

     

「心臓のリズムの問題なのに、

なんで脳の血管がつまる“脳梗塞”になってしまうの?」

と思われる方もいらっしゃるでしょう。

 心臓は酸素を多く含んだ血液を全身に送るポンプの役割をしています。

そのポンプが一定の決まったリズムではたらくことで、

血液がよどみなく流れるようになっています。

ところが、このポンプのリズムが狂うと

血液のよどみが心臓の中でできるようになります。

血液はあるところにとどまると固まってしまいます。

皮膚で出血した時にかさぶたができるのと同じです。

もし心臓が不整脈のためにポンプ機能をちょっとの間やすめてしまうと、

血液のかたまりが心臓の中でできてしまうのです。

これを血栓といいます。

  

     

    

  

 心臓の中でできてしまった血栓が心臓の中にとどまってくれれば

あまり問題を起こさないのですが、

ときにポンプの圧力で心臓から外に押し出されてしまいます。

すると、心臓から近くにある血管が脳へむかう血管なので、

脳の中へ血栓が飛んでいってしまいます。

そうなると今度は、血栓が脳の中の血管でつまってしまいます。

血管がつまれば、血流がいかなくなり、脳の組織が死んでしまう…

つまりは脳梗塞になってしまいます。

脳梗塞の原因となる不整脈は、早ければ30代からでも起こり得ますので

注意が必要なのです。

脈や心電図はぜひ定期的にチェックしましょう。

    

脳卒中のあとの手足のつっぱり

2019.07.16

みなさん、こんにちは。

なかなか暑くなってこないものですね。

暑がりの自分としては快適なのですが、

野菜のお値段が高くなってしまうのも困りものですね(汗)。

  

今日は脳卒中後に生じてしまう、手足のつっぱりについてお話しますね。

近年の医療の進歩により、脳卒中で亡くなる方は減少しています。

ところが、脳卒中がおこってしまったために、

色々な後遺症を抱えている方もいらっしゃると思います。

こうした後遺症が日常生活の支障となり、

介護されているご家族の方に大きな影響を及ばすこともあるでしょう。

その中で、手足の筋肉が緊張して起こる“つっぱり”についてお話します。

例えば、

指をグーで握りこんだまま開かず、

手洗いができなかったり、

爪が切れないという困ったことがあります。

肘が”くの字”につっぱってしまって伸びないために、

着替えの時に痛い思いをしたり…。

なかには見た目を気にされている方もいると思います。

   

  

  

  

これらの症状が起こる原因としては、

神経の働きにより筋肉が異常に緊張してしまうことにあります。

このような手足のつっぱりに対する治療法の一つとして、

ボツリヌス療法というものがあります。

以前のブログで顔面のけいれんの時にも出てきた注射の薬です。

      

  

      

  

筋肉を緊張させている神経の働きを抑えるために注射を打ちます。

すると、

筋肉が柔らかくなり、

つっぱりの痛みが和らいだり、

曲げたり伸ばしたりの動作がしやすくなる、

などのことが期待できます。

また、注射後にリハビリやストレッチを積極的にやることで、

この治療法の効果を最大限生かすことができます。

  

  

    

発症から時間が経っていても効果がでることが多くあります。

つっぱりに悩まれている方は、

一度トライしてみる価値は十分にあると思いますよ。

ぜひご相談をしてみるとよいと思います。

運動のしくみ2

2019.07.08

みなさん、こんにちは。

雨が降って、肌寒い日もあり、

日が照って、暑い日もあり、

気温の落ち着かいない日々ですね。

ここ最近、クリニックにも

「のどがいたい」「せきが出る」

などの症状に困って来院される方が増えています。

ぜひ、かぜにご注意くださいね。

  

今日は運動のはなしのつづきをします。

前回は、何気ないひとつひとつの動作は、

実は運動開始の1秒も前から脳活動が始まっているとお話ししました。

ちなみに、

脳の運動神経が「手を動かせ」と最終的な命令を出してから、

手の筋肉に命令が伝わるまで0.02秒しかかかりません。

この0.02秒の神経活動のために、

1秒という長い時間をかけて脳が準備を行っているのです。

手で触れたものの感覚情報が脳に伝わるのもおよそ0.02秒です。

また「位置について、よーいドン」の合図でからだの筋肉が反応するのは、

およそ0.1秒から0.2秒くらいです。

脳のなかでの運動の準備に1秒かかるというのが

非常に長いことがわかりますよね。

さて、この「よーいドン」の時に手足の筋肉がかたまってしまう病気があります。

  

  

  

  

「さあ、動かそう」

と思った時に手足が突っ張ってしまい、

動きがぎこちなくなります。

かけっこのスタートのとき、

野球で打球を追いかけようとしたとき、

剣道で技を出そうとしたとき。

どんな時でも運動開始時にのみ筋肉がかたまります。

  

  

  

    

これは「発作性運動誘発性ジスキネジア」という病気です。

医師の間でもあまり知られていないため、正確に診断されていないことがとても多いです。

“なんだろうかね~”

とわからないままになり、

また運動以外の生活では困らないために

診断されないままに生活を続けてしまうことがしばしばあります。

実はこの病気、「テグレトール」という薬を飲むことで症状の改善が期待できます。

遺伝したりすることもありますし、その程度もさまざまです。

心当たりがあれば、脳神経内科を受診してみましょう。

脳神経内科の専門医です
03-3883-6180
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