頭痛のつづき
2019.06.14
こんにちは。
ジメジメの毎日ですね。
今日は頭痛のはなしのつづきをしますね。
前回までに、片頭痛と緊張型頭痛についてお話ししてきました。
今回はその他の「頭痛の原因となる病気」について述べましょう。
まずは有名な“くも膜下出血”があります。
脳のなかに起こる出血で、
一般的には
「突然に」
「何時何分のこの瞬間に起こった」
とわかる激しい頭痛が特徴です。
このくも膜下出血は、これまで述べた頭痛と異なり、
生命の危険を伴うために緊急の医療対応が必要です。
「晴天の霹靂」とも例えられるような頭痛が起きたら、
医療機関にすみやかに相談する必要があります。
なかにはごくまれに、このような急な経過をとらないくも膜下出血もあります。
“なんとなく、いつからとは言えない経過”で発症した重い頭痛で、
通常の外来を受診して脳のCTを撮影したら実はくも膜下出血だった、なんてこともありました。
そのほかにも、頭痛を訴えて受診し、脳のCTを撮影したら大きな脳腫瘍だったこともあります。
かぜをひいて、熱が出て、頭痛を伴うことはよくありますよね。
熱を伴う頭痛の中には脳髄膜炎といって、脳を包む膜の炎症ということがあります。
細菌が原因の髄膜炎はとてもやっかいで、入院の必要があります。
また同様に、
おでこの辺りの痛みでMRIを施行してみると副鼻腔炎(鼻の奥の細菌による炎症)だったこともあります。
このように頭痛を呈する原因は、色々とあるために
病歴とあわせてきちんと診断することが重要ですよね。
緊張型頭痛
2019.06.08
こんにちは。
東京も梅雨入りとなりました。
みなさまはいかがお過ごしでしょうか?
わが家のアジサイも少しずつ花がついてきています。
今回は、前回に書いた頭痛のはなしの続きをいたします。
発作のように症状の出る片頭痛とは異なり、
緊張型頭痛はなんとなくダラダラと頭痛症状があります。
いつも重い感じがして本当に嫌なものなんです。
疲れや寝不足で症状が強くなります。
首まわりの筋の重労働が原因なので、
パソコン作業の長い人、
運転手さん、
乳児をだっこすることの多いお母さん、
前掛けなど首から物をぶら下げて仕事をしている人
に多く、また
夜勤のある生活で睡眠が不規則になりやすい人も、
睡眠中に筋の疲れがうまくとれず頭痛となる方が多いです。
最近では、スマートフォンを見る時間が長く、その姿勢の問題や
光の刺激による睡眠の質が問題視されていますよね。
この頭痛では、その名のとおり首のまわりの筋肉が固くなっています。
筋の緊張をやわらげる薬で、症状の軽減をこころみます。
しかしこういった薬は同時に眠気を誘うものが多く、実際には飲みづらい薬が多いのです。
外来では運動不足・睡眠不足の解消、睡眠の質の改善などの指導をします。
それと同時に、
実は首まわりの筋力を改善させるリハビリテーションで頭痛の改善がみられることも多くあります。
日常生活の工夫で、症状の改善を期待できるので、ぜひ専門医にも相談してみましょう。
頭痛のはなし
2019.06.05
こんにちは。
暑かったり、涼しくなったりの毎日ですが、体調を崩されてませんでしょうか?
今日は頭痛のはなしをします。
どなたでも頭痛の経験はありますよね。
かぜをひいたときに起こる頭痛もいやな症状ですが、
その時の頭痛は、かぜが治ると頭痛もよくなります。
一方で、かぜとは関係なしに
「毎日のようにしめつけられる頭痛があって困っている」
とか
「1~2か月に一回(数か月に一回)激しい頭痛があって、
その時は、半日から一日くらいは痛くて寝たきりになってしまう」
などの症状に困っている方も多くいると思います。
おおざっぱに言うと
前者は「緊張型頭痛」
後者は「片頭痛」
といわれるものです。
診療をしていてしばしば意外に思うのが、
「もうこれはいつものことだし、自分は頭痛持ちだからしようがない」
と市販の頭痛止めを飲んで、あきらめてしまっている方が多いことです。
ところが、たとえば片頭痛なら抜群に効果のある薬が存在します。
片頭痛とキチンと診断された方で、
頭痛発作時に“トリプタン”という薬を飲むと
今まで一日悩まされていた症状が、ウソのように短時間ですっきりとなります。
(効き目には個人差もあるのですが…)
「トリプタンを一回試したけどあまり良くならなかったな」
という片頭痛の方も、
今は何種類かの性質の異なるトリプタンが出ているので、
いくつかを試してみるべきです。
ただし、「緊張型頭痛」の方にはあまり効果はありません。
ですので、まずは頭痛のタイプについて
しっかりと診断をつけてもらうことが重要です。
では緊張型頭痛の場合はどうしたらよいでしょうか。
これはまた次回お話ししましょう。